アニマルウェルフェアとアキタフーズの贈賄事件
吉川元農水相が大臣の時、鶏卵大手のアキタフーズ(以下、ア社。本社は広島県)の元代表から多額のワイロを贈った事件。
事件の詳細は下記を読んで頂くとして、
2021.1.24 Business Journul
残酷な日本の「養鶏」…超高密度のケージ&窓なし飼育、維持のため業界が元農水相に贈賄 (biz-journal.jp)
ワイロはもちろん犯罪ですが、元代表の動機が「自分の会社のためだけではなく養鶏業界のために、世界から求められているアニマルウェルフェアを鶏卵業界に要請しないで欲しい」ということだったらしいのです。ちなみに元代表は日本養鶏協会では重鎮だったそうです。
このアニマルウェルフェアとは一体?
鶏卵、ニワトリの世界だけでいえば「狭いゲージの中で飼育し排卵させた卵や、成長した親鳥を食肉として、我々は比較的安価で手に入れられている」のですが、もしアニマルウェルフェアが日本の養鶏業界に適用されてしまうと飼育方法を大きく変化する必要があるそうです。
単純にいえば「放し飼い」あるいは「1羽に対するゲージの面積を広くとる」必要があるそうで、それを心配したア社の元代表は「アニマルウェルフェアが導入されると、維持費が高くつくので、絶対に阻止したかった」そうです。
ここで意見が分かれると思います。
パターンA 動物愛護の視点の人なら
アニマルウェルフェアを日本の養鶏業界も導入すべき。あんな狭いゲージでニワトリを飼うのはかわいそう。導入後、卵や鶏肉の値段が高騰しても仕方がない。
パターンB 焼き鳥など鶏肉で商売をしている人、タマゴを料理に良く使う消費者の人なら
鶏肉や卵の値段が上昇するのは困る。ニワトリにはかわいそうだが、今の飼育方法を維持すべき。
パターンC 多少の値上がりは容認できる人
今よりもニワトリにとって生活しやすい環境を作るべき。多少の値上げは仕方がない。
パターンD 日本も世界基準にあわせるべき。
理由はどうあれ日本も世界のルールにあわせるべき。値段の話は別。
パターンE とにかくワイロは犯罪
どんな動機であっても犯罪は犯罪。アニマルウェルフェアの話は別。
などなど、ニワトリや犯罪に対し考えが違えば、いろんな意見が出てくる事件でした。
管理人の意見は「卵や鶏肉の値上がりは困るので、鶏には申し訳ないがアニマルウェルフェアは導入されるべきではない。ですので、養鶏協会の重鎮でもある元代表の考えは理解できる。しかし、ワイロではなく要望として農水大臣に出すべきだった」という立場です。
参考記事
農林水産省のアニマルウェルフェアについて